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【デメリットだけじゃない】遅めの妊娠をしてみて思うこと

投稿日: カテゴリー マタニティ

ライフスタイルやワークスタイルの多様化に伴い、一昔前に比べて、現代の女性はとても自由になったといえるのでしょう。

好きな仕事をして、好きなように暮らし、好きなときに好きな人と結婚する。

でも、自律して思いのままに人生を生きているように見える女性たちでも、あるものに「今のままでいいの?」と度々問いかけられ、答えの出ない自問や望む通りにならない現実に人知れず悩んでいるケースは少なくありません。

 

そう、それは出産のリミット。

医学が発達したとはいえ、現代において出産にはリミットがあるのが現実です。

妊娠・出産は新たな命を生み出すという、とても神秘的ですばらしいことですが、だからこそ、そのタイミングをいつ迎えることができるか、いつ迎えるべきかは、多くの女性にとってとても重要でセンシティブなものなのです。

 

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妊娠率や染色体異常などのリスクを考えれば、年齢を重ねた後よりも若いうちに妊娠・出産することが望ましいのは事実です。

ですが、実際のところ、妊娠・出産だけに照準を合わせて人生を歩んでいくというのは現実的ではないですし、あまり若いうちから妊娠・出産のタイミングを気にしすぎて、自分が心から望む生き方を見失ってしまうことは、とてももったいないことであるように思います。

もちろん、妊娠・出産は望んだからといってすぐに叶うことではありませんから、どうしても子どもがほしいという明確な意志があるのであれば、早い段階で自分とパートナーの心身の状態をよく知り、行動に移すべきでしょう。

でも、今すぐには妊娠を望まない、今はまだ将来のビジョンがはっきりしない、望んでいるけれど、なかなか妊娠できないなどという状況であれば、いたずらに焦る必要はないのではないでしょうか。

 

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私が自分の中に新しい命を授かったのは、結婚からちょうど7年が経つ頃でした。

私は昔から子どもが好きで、長女気質で面倒見のよい性格だったこともあり、学生時代までは当然のように「20代半ば頃になったら結婚して、20代のうちに母親になる」ものと思っていました。

社会人になってすぐに夫との縁があり、その想定通り20代半ばから結婚を意識し始め、27歳になってすぐに結婚しました。
結婚生活は順調でしたが、28歳になっても、29歳になっても、私たち夫婦に、というより私自身に「子どもを授かりたい」という意識は芽生えませんでした。

結婚当初からずっと、「生涯において子どもはいらない」と思ったことはありません。

むしろ、「いつかは子どもがほしい」と思ってはいるものの、「いつか」はいつになっても「いつか」のままでした。

この頃は若さゆえに妊娠したら生活が大きく変わることへの不安や、もっと仕事で自己実現したいという葛藤が、妊娠について考えることを遠ざけていたように思います。

 

結婚から数年が経ち、30歳を迎える頃になると、親を中心とした周囲からの妊娠を期待する声がプレッシャーになり始め、同世代の友人知人の妊娠や出産が焦りに変わり始めました。
それでも私は「今すぐ子どもがほしい」とは思えず、周囲の期待より焦りより、何よりもいつまで経っても妊娠・出産に対する覚悟が決まらない自分自身に頭を悩ませていました。

家庭を営む相手がいて、健康な身体があって、その上で妊娠を望まない私は、おかしいのだろうか。わがままなのだろうか。
どんなに仕事を頑張っても、どんなに充実した毎日を送っていても、どんなに幸せでも、子どもを切に望まない自分は、それだけで何だかとても悪いことをしているようで、心のどこかで得体の知れない劣等感や罪悪感を抱える日々が続きました。

 

 

そんな私でしたが、妹の妊娠を機に、ある日突然、自分でも驚くほど素直に「子どもがほしい」と思える瞬間が訪れました。
そして、妹が無事出産し、生まれたての姪を腕に抱いたときに感じた「自分も母親になりたい」という強い気持ちが引き寄せたかのように、その後まもなく妊娠が発覚したのです。

 

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結婚して7年もの間、妊娠・出産のタイミングを気にしつつも後回しにしてきた私ですが、自分の妊娠生活の経験から、遅めの妊娠は決してデメリットばかりではないと実感しました。

なぜなら、妊婦の仕事はその多くが「マネジメント」だからです。

体調、ストレス、メンタル、栄養バランス、体重、経済、出産・育児に向けてのスケジュールなど、妊娠中は様々な要素のコントロールやマネジメントが求められます。
そして、これらの要素をうまくコントロールするには、自分を客観視できることと、家庭や仕事など自分が関わる環境や人間関係が整っていることが、とても重要になってきます。

こういった状況の中で、自分が自分のことを十分すぎるほどよく理解していること、豊富な経験値や周囲との信頼関係があることは、とても大きな強みでした。

妊娠中は、ただでさえホルモンバランスの影響でメンタルが不安定になったり、「甘え」と「無理」のボーダーラインを見誤ったり、そもそも自分自身を見失ったりしてしまいがちです。
だからこそ、自分を冷静に客観視できること、周囲との円熟した関係は、メンタルの安定にとても効果的に作用してくれました。

もちろん、いくつになっても初めての妊娠に不安はつきものだと思いますが、例えば20代の私と現在の私とでは、妊娠という大きな出来事の受け止め方や向き合い方はきっと大きく違ったのではないかと思います。

 

長い間、自分は妊娠・出産にきちんと向き合えていないと感じていましたが、実際に妊娠がわかったとき、驚くほどすんなりとその事実を受け止め、これまでにない喜びを感じることができました。
そして、「今まで十分やりたいことをやってきたから、これからしばらくの間は、この新しい命を育てることにすべてを注ぎたい」と、曇りなく思うことができたのです。

また、社会人経験をある程度積んでいて、出産後のキャリアに不安要素が少ないことや経済的な安定など、赤ちゃんを万全の体制で迎えることができることも、遅めの妊娠の大きなメリットである場合が多いと思います。

 

前述したように、命を授かり、無事に出産するということにおいては、その時期は自分と子どもに責任を持てる状況下で早いに越したことはありません。
妊娠・出産の時期を遅らせるということは、妊娠・出産において様々なリスクを負うことになるのは事実です。

でも、女性に生まれたからといって、妊娠・出産だけが人生の幸せではないはずです。

私は今、たまたま新しい命を授かることができ、このタイミングが自分にとってベストだったと思っていますが、もしこの先数年後に授かっていたとしても、或いは残念ながら授かることができなくても、結果としてそれが自分にとってはベストだったと捉えているのではないかと思っています。

それは、様々な迷いや葛藤を抱きながらも、そのときに自分がいちばん優先したいと思ったことを素直に優先してきたから。
自分が自分で選んだ人生を生きているという自負が、起こった出来事を肯定的に受け止めることにつながっているのだと思います。

 

多様性が認められ、人生の選択肢が増えるにつれて、道を迷いやすくなったり、自分で道を選ぶ責任感に苦しめられたり、生きやすくなった一方で生きにくさを感じている女性もたくさんいると思います。

その中でも妊娠・出産は、自分の意志が及ばないことであるがゆえに、特に悩みが尽きないトピックといえます。

すべての妊娠・出産を望む女性が、それぞれにとってベストなタイミングで愛する我が子を腕に抱ける世の中になることを願いつつ、かつての自分を含むすべての女性が、妊娠・出産というすばらしい可能性にネガティブな感情を抱いたり、振り回されたりせず、自分らしく生きていける社会であってほしいと願います。

 

Writer:

「人、もの、コト」の魅力を探り、伝えることを目的として、マーケティング会社に勤務する傍ら、フリーライターとして様々なメディアで執筆活動を行う。
長年に渡る販売業の経験で培った、人の心を動かす視覚的・感情的アプローチや切り口の提案を得意とし、PR記事や訴求力のあるコラムを多数執筆している他、執筆に限らず、イメージ写真撮影、ツール作成、イベント運営サポートなど様々なPR活動を行っている。

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