【エッセイ】ワーキングマザー vol.14

投稿日: カテゴリー ワーキングマザー

久しぶりに訪れた九州は20年前の青春時代とは少し違い、中心地に漂う雰囲気も香りもだいぶ変わっていた。

あの頃は指定された待ち合わせへ向かう道のりも、時間も、ただただひたすらに緊張をしていて、入念にメイクや格好を気にしては、前日には脱毛をしっかりしたりして、かなり入念にチェックをし、自分への興味も相手への興味もあったように思う。

それこそ女子高生のように前髪のちょっとした違いによってテンションもかなり違った。

あの頃に今の器量と余裕を備えていたら、私はあいつを上手に泳がせて、手名付けて、わりとなんでもはいはいと流せたかもしれない。そしてそのまま結婚して、人生最大に大好きな人と結婚も出来たかもしれない。

いや、でもやはり人生というのはそんなに容易いものではなく、結局大好きがゆえに苦しくなってヒステリーを起こしていたのかもしれないし、生活にものすごく苦労をしていたのかもしれないし、何が起こっていたかなんて分からない。

うまくいかなかったのにはうまくいかなかった理由がそこにはあって、それは何年経っても形を変えても相性というもので結局すれ違っていたに違いない。

そう、絶対にそう。

きっと今だって会ってもあの頃のようにときめくどころか、ただのおじさん化したあいつに私はがっかりするに違いない。

太って、禿げてたりもして、思い出に生きていただけの自分に気づかされるだけ。

そして、自分の老いにも気付かされてがっかり、本当にがっかりするだけ。

 

「うそでしょ。まだ連絡取ってたの?あんたも随分しつこいね。」

そうびっくりして言うのは私の全てを長年知る親友。

「わざわざ取るっていうよりは、何か月も連絡取らない時期があったり、何日か続けて連絡しあったり、そんな感じ。」

「何を連絡するわけ?」

「別に何も。体調ネタが多いかな。大丈夫?とか。あと誕生日。」

「おめでとうって?」

「そう、嫌でもお互いに忘れられないからね。」

「いや、でもそれってどうなのよ。お互いに家庭持ちでしょ?奥さんからしたら良い気しないって。」

「まーね。でも別にそこに何かやましい感情があるわけでもないし。お互いにあいつどうしてっかなってそんな感じよ。」

「いや、いやいやいや。逆に深くて濃いよ。間に誰か入れる感じがしない。」

「そう?全然そんなんじゃないよ。スタンプだけの時もあるし、そのスタンプも意味なかったりするし。」

「だから余計によ!外野からすれば、連絡取る必要もないのに連絡取りあう仲っていうところに何かあるの?って疑いたくなる。」

「なんもないよ。」

「だって今と昔の話を共有しあってるわけでしょ?」

「全然、あの頃の話なんか一切話題にもなんない。」

「げーそれって逆にすごくエロイ。なんかエロイよ、あんたら。」

 

あいつはどうか知らないけど、私はやっぱり連絡が来ると、少し嬉しい気持ちがある。青春の名残なのか、思い出の欠片なのか、瞬間心があったかくなる。

Lineに表示されるあいつの名前にホッとしたりもする。

 

昔ほど興味がないから気にもしなかったけど、たしかに友達が言うようにこれって何?なのかもしれない。

 

Writer:

1982年生まれ。世田谷区在住。帰国子女。2児の男の子のワーキングマザー。
先月より(2016年9月)、息子たちとの時間や家族時間を増やしたく、OLを思い切って脱出し事業を始めました。4歳の息子を経営に加え、初の家族経営型 website ”Charlie House" http://charliehouse.jp/では、家族で良いと思うコ ト、ヒト、モノや日常をご紹介させていただくことで子育て世代へにヒントをお届け出来ればと思っております。私たちが目指すのは家族の笑顔が増えることです。独自の子育て論と型にハマらない新しいママの働き方を掲げながら、自然派のワークショップも開催しておりますのでチェックしてみてください。

Related posts