【エッセイ】ワーキングマザー vol.15

投稿日: カテゴリー ワーキングマザー

宮崎の空港に到着した時、東京とは違うジメッとした風が通り抜けて終わりかけの夏が残っているかのようだった。

 

結局今年の夏も育児と家事、仕事に追われ、ゆっくり家族旅行というわけにもいかず、我が家はショッピングモールのイベントやママ友たちと企画したキャンプ、近所のプール通いで過ぎていった。1週間くらい休みを取って、常夏の海を楽しみに海外旅行にも行きたいけど、さすがに魔の2歳児を連れて飛行機に長時間乗る気にはなれない。

 

「着いた。」

「ようこそ九州へ。」

 

あっさりとしたもんだと思う。

楽しみにしていたわけでも、楽しみにしていなかったわけでもない。

上着を脱いで、お手洗いに向かう。

鏡に写る20年前とは風貌も肌のハリも変わった自分の現実に、こんなところまで来て今更何がしたいのかと少し虚しくなった。

 

早朝の便で飛んできたので、子供達はまだ眠くて眠っていた。

それでも、ママとギリギリまで一緒にいたいだろうからと旦那が眠っている子供を一人ずつチャイルドシートに乗せて羽田空港まで送ってきてくれた。車を降りる時には長男だけが目が覚めて、「行ってらっしゃい。明日帰ってくるよね?」と何かを感じ取ったのか帰宅を確認された。

「お土産買ってくるからね、楽しみにしててね。」と言っていつものハイタッチをしてバイバイしたものの、変な罪悪感にも襲われた。

 

母親という生き物はとても不思議で、特別悪いことをしているわけでもないのに、子供のことに100%向き合えなかった時、完璧な人間などいないのに自分はダメな母親なのではないかと責めてしまうことがある。

比べる必要もないのに、他のママさんと比べて自分は至らないと思うことは多い。

逆もある。自分はまだマシかもと思い、奮い立たせることもある。

母親業というのは自分との闘いで終わりがなく、自分で自分の器量を試して計って、鼓舞してへこんで、そうやってたくましくなり子供と一緒に成長していくものなのだろうと思うものの、年中無休のフル稼働、心配や不安も尽きない中、ひたすらリング上で闘い続けるというのは、かなりの体力と精神力がいるものであることは間違いない。

しかしながら、夜20時を過ぎると一気に眠気に襲われ、目がかすみ、よく分からない吐き気に襲われることと子供への愛情は別もので、疲れてるっぽい自分の体力の無さにガッカリすることはあっても、子供を産まなきゃ良かったと思ったことは一度もない。

 

正直、旦那のことはどうだっていいと思うことはよくあるが子供のことに関してどうだっていいと感じたこともない。旦那と結婚していなかったらと想像することはあっても、今の子供達と違う種の子供達を育てている自分が想像できたこともない。

 

それくらい子供達が可愛くて可愛くて仕方がないわけだけど、じゃあ結婚して幸せ?と聞かれるといつも言葉に詰まるのは何故だろう。

 

「本当に仲いいよね〜2人。」

と私たち夫婦を知る人はいう。

 

「うん、仲はいいと思う。」

と私は答える。

 

「でも、愛してるかどうかはまた別の話。」

これも私はよく言う。

 

愛を覚えた20代。

愛を忘れた30代。

 

それでも母はやれる。

Writer:

1982年生まれ。世田谷区在住。帰国子女。2児の男の子のワーキングマザー。
先月より(2016年9月)、息子たちとの時間や家族時間を増やしたく、OLを思い切って脱出し事業を始めました。4歳の息子を経営に加え、初の家族経営型 website ”Charlie House" http://charliehouse.jp/では、家族で良いと思うコ ト、ヒト、モノや日常をご紹介させていただくことで子育て世代へにヒントをお届け出来ればと思っております。私たちが目指すのは家族の笑顔が増えることです。独自の子育て論と型にハマらない新しいママの働き方を掲げながら、自然派のワークショップも開催しておりますのでチェックしてみてください。

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